「戦略思考の技術:ゲーム理論を実践する」のページ

基本情報:「戦略思考の技術:ゲーム理論を実践する」中公新書(1658)  2002年9月25日初版。 2020年2月25日第26版

大学入学試験問題などにも使われました

 訂正

版を重ねるごとに細かな字句の修正・訂正を行っていますが、個別には記しません。

重要な不具合とその修正(不具合を指摘してくださった読者に心から感謝いたします)
対象:
第1版から5版
不具合の内容:
160ページ,「先ほどの数値例に戻り…」以下の段落に記された数値例が意図どおりに機能していない。
理由:
 確かに,両方のタイプの売り手が条件付返品を認めるというのは本文の通り。したがって,返品受付は品物を判別するシグナルにはならない。しかし,買い手は区別ができなくても買うべきである(左から6行目の記述が誤り)。なぜなら,80パーセントの確率で贋物を返品できる場合には,商品の平均価値は5000円であるのに対し,平均支払いをみると,50パーセント×80パーセント=40パーセント の割合で返金を受けることができるから,平均取得コストは7000円×60パーセント=4200円。(注:条件付期待値でみても符号は同じ)
修正方法:
 贋物である確率を80%から50%に変更。その結果,贋物の売り手はやはり条件付返品を認めるので,買い手からは区別がつかない。商品の平均価値は5000円であるのに対し,平均支払いをみると,50パーセント×50パーセント=25パーセント の割合で返金を受けることができるから,平均取得コストは7000円×75パーセント=5250円。よって,両方とも返品を認める場合は,品物を買わないほうがよい。